2020/5/25

トリックアート2

刺繍で3Dルービックキューブ

本日の精研ブログを担当いたします三谷です。
よろしくお願いします。

前回の記事「トリックアートは刺繍で表現できるか?」では、不可能図形と立体物を刺繍で作りました。
今回は、ルービックキューブを題材に、もう少し立体的に見える刺繍を作りたいと思います。

まずは、どんな感じに見えるか確かめる為に、イメージ図をillustratorで作ります。

立方体を作成し、重ねていきます。

3次元の奥行きを出す為に、立方体を変形します。
縦を長く、上に向かって広がるようにします。

色を塗れば完成です。

プリントして立体に見えるか検証します。
正面から見ると、当たり前ですが縦に長く上が広がっています。

斜めから見てみます。目の錯覚で角度によって立体の高さが違って見えます。
ちょうど正方形に見える角度で写真を撮りました。
立体に見えますね。今回は後でもうひと手間加えますよ。

イメージがつかめたので、実際に刺繍してみましょう。
ルービックキューブの刺繍データを作成します。

原反枠にグレーのフェルト生地と芯地(ハイボン)をセットして、刺繍していきます。

縫い終わりました。
ここでひと手間、フェルト生地を半分カットすると...

正方形に見える角度から写真を撮ると、フェルトの上半分をカットした事により、更に立体感が強調されました。
ルービックキューブの下に影を付ければ、浮いているようにも見えますよ。

横に対象物があると、フェルトの上にルービックキューブが置いてあるように見えます。

描かれた物が立体に見えるのなら、刺繍した物も立体に見えるか疑問に思ったのがきっかけで始めたトリックアート刺繍。
立体に見える角度が限定されていたり、レンズを通して見なければ立体感が出ないなどの特徴があるので、既存の刺繍製品にどう活かすかは課題がありますが、刺繍もトリックアートも同じ2次元の表現。
直接結び付かなくても、デザインに奥行きを出したり、視覚を意識したデザインなど、活かせる物もあると思い記事にしました。
もっとトリックアートの技法を学び、刺繍アートや刺繍オブジェ作品も作ってみたいと思います。

ホームへ先頭へ前へ戻る