2022/4/22

フォト刺繍の量産実験

初めての試み

こんにちは。精研の樋口大(ひぐちだい)です。
今回の記事はフォト刺繍の量産実験のお話しです。

ついにこういう日がやって来たかーとひとり感慨深げにしているのですが、現在フォト刺繍の量産の実験を開始しています。

今回は51色。単頭機だと1枚ずつ作っていくのですが、もし何十枚も制作依頼が来てしまったら複数台の単頭機を使っても作業に追われて結構忙しい思いをする可能性があります。

そこで今回は2頭の刺繍機を使って一度に2枚ずつ作っていくことにしました。

しかし、問題はこの作品の色数が51色だということです。15針の刺繍機で縫ったとしても4回(15色x3回+6色x1回)糸の立て替えを行わなければなりません。

1作品で4回糸の立て替えがあり、しかも多頭機だと頭数分の立て替えを行わなければなりません。

今回の作品自体はB4サイズで総ステッチ数は33万ステッチなのでフォト刺繍としてはそんなに針数は多くありません。糸の立て替えにかかる時間は刺繍機の頭数に比例するので今回のような面積の小さいフォト刺繍を量産するとなると糸の立て替えにかなり時間を取られてしまします。

「うーん。根性出してやるしかないか」と刺繍機を眺めていて閃きました。

51色のフォト刺繍データを15色ごとに分割して、刺繍機の繰り返し機能を使えば糸の立て替え回数を減らすことができるではないか!

作品の縦横サイズと、刺繍機の刺繍範囲を調べると、1頭あたり3回繰り返しが可能なことが分かりました。

1回ずつ仕上げていくとなると、作品を1枚作るのに4回糸の立て替えをする必要があります。3枚作ったら12回糸の立て替えをしなければなりません。

刺繍データを4つに分割(15色ごとの3分割+6色)にすると、1〜15色目までを3回刺繍して、1回糸の立て替え、16〜30色までを3回刺繍して、1回糸の立て替え、31〜45色までを3回刺繍して、1回糸の立て替え、46〜51色までを3回刺繍して、1回糸の立て替えとなります。

つまり、作品を1枚1枚仕上げるよりも、刺繍データを分割した方が糸の立て替え回数が少なる分作業時間が短縮される計算になるのです。

今、ショールームにある多頭の刺繍機は2頭ですが、糸の立て替えにかかる時間は2頭なら2頭なりの、6頭なら6頭なりの時間が必要になるので、糸の立て替え回数が減るほど生産効率は上がります。

ただ、こうした作り方は私も初めてなので本当に1枚ずつ作るより早くなるのかやってみないと分かりません。

しかし、一つだけはっきりしていることは次の糸の立て替えまでの時間は増えるのでその間に他のことをする時間を作り出せます。(今まさに私は刺繍機を動かしながらブログを書いています。)

今回は6枚を一度に作る量産実験ですが、最終的に何日で6枚完成するのか、非常に興味深いです。私の予想通りの結果になればいいのですが・・・

ホームへ先頭へ前へ戻る