2026/10/2

DG17を強化するアプリ。精研AIブリッジ

PDFや最新のaiファイルを自動変換してDG17に読み込める!

こんにちは。樋口です。

今回はPDFや最新バージョンのaiファイルがDG17で読み取れるようになる、「精研AIブリッジ」というDG17のお助けアプリをご紹介します。

仕事で送って来られるデータは概ね、PDFかaiファイル

DG17をお仕事でお使いのお客さまからよくある問い合わせの中に、「PDFを読み取りたい」「Adobe illustratorのaiファイルをDGに読み込ませたい」というのがあります。
実はDG製品はPDFが読み込めません。
aiファイルは最新バージョンは読み込めなくて、8バージョンに変えてもらえれば読み込むことができます。(なぜ8バージョンなのかは理由があります。)

PDFはそのままでは読み込めないのでJPEGはPNGなど、画像のファイルに変換して読み込むことになります。

なぜVer8しか読み込めないのか?PDFが読み込めないのか?

これは自分でアプリ開発するためにいろいろ調べた結果たどりついた考察です。

AdobeのillustratorのaiファイルがVer8からVer9になったのは2000年。adobeはそれまでのPostScript方式からPDF方式にaiファイルのフォーマットを変更しました。そのため、postscript系の保存方式を採用していたDGは9バージョン以降のaiファイルを読み込めなくなったと考えられます。
PostScriptについてはこちら

「PDFを何らかの形で読み込めるようにしてほしい」「最新のaiファイルが読み込めないのはなぜか?」の理由として、DG製品は古くからあるソフトで、現在17バージョンに至っていますが、刺繍データ作成の依頼としてPDFが採用されるようになったのは1990年代後半~2000年代。
つまり、DGが作られた当初はPDFは無かった、もしくは普及していなかったことも理由の一つかもしれませんね。

では、DGを改修したら良かったんじゃないの?

確かに。私もその意見には同感です。せめて他社ソフトがやってるみたいにCorelDrewなどのソフトを同梱して連携させるなどはやっても良かったかも知れません。DGにもドローフュージョンなどの機能はあるので、CorelDrewを別で購入すればPDFやaiファイルも読み込めるのですが、DG自体もどんどんバージョンアップしていて、古いCorelDrewは対応していなかったりする場合もある。また、別で購入するにしても、お客様にはPC操作がそれほど得意でなかったりする方もいらっしゃるので、自分でセットアップしなければならないとなったら、不安になる方もいます。そして、費用も余分にかかる。

そして、利用する側の私たちは簡単に「改修したらいいんじゃないの?」といってしまいがちですが、実はこれ、そう単純な話ではありません。メーカーさんを庇うような見解になりますが、自分でもアプリケーション開発ができるようになると、安定的に動いているソフトの一部に手を加えるだけでも大変な労力がかかります。まして、今回はDGが機能としてもっていないものを取り入れることになります。不具合の調査・修正(デバッグ)もソフト全体に及ぶ可能性も考えなければなりません。

2026年は自分に必要な機能は自分で作ることができる時代に!

さて、ここからAI開発の話になります。
私は「AIを使い倒す!」を今年の活動テーマにしていて、刺繍加工の業務の一部を自動化したり、アシストするための仕組み作りにAIを使って開発しています。最初は社内の見積書作成を効率化するためのアプリを作ることからはじまり、店舗やイベントで行う刺繍データ作成の自動化ツールなどを何種類か作りました。いずれも本番運用していて、わずかとはいえ、作業の簡略化、効率化の一助になっています。ここ10か月くらいのAIの発展は目覚ましく、半年前はアプリケーションがまともに動かなくて何回もやり直したり、ほとんどコードのことなんか分からないのに、AIにコードの説明を受けながら自分で直したりしてましたが、いまは中身を全く見なくても1回目からいわゆる「動くアプリ」が作れるようになっています。
私が勉強してソフトウェア開発について理解できるようになったのではなく、AIがどんどん成長して私が気になる細かい点も自分で解決の糸口を見つけてアプリケーションに反映させ、それでいて、元々ちゃんと機能していたところは以前通り問題なく動く。そういうものをAI自身が作れるようになっているのです。
そして、今回、精研ではDGで読めないPDFや、最新のaiファイルをドロップするだけでDGに読み込めるようになるアプリ、「精研AIブリッジ」を開発しました。

精研AIブリッジはどんなアプリ?

精研AIブリッジはPDFや最新のaiファイルをDG17で表示できるようにするための変換器です。DG17に精研で何か手を加えて改造したのではありません。完全に独立したアプリケーションです。
精研AIブリッジでやっていることの考え方は極めて単純で、DG17はPDFは読めない。aiファイルも8バージョンしか読めない。だったら、PDFやaiファイルをDG17で読み込めるように変換することを自動化した。それだけです。

illustratorやCorelDrewを持ってなくても変換できる!

やってることは単純ですが、精研AIブリッジのすごいところは、illustratorやCorelDrewをもってなくても変換できることです。つまり、外部のソフトウェアの力を一切借りずにダイレクトに変換できるのです。
これはお客様の環境によっては、illustratorを持っていないお客様がいて、「aiファイルが開けない」ということが実際にあるので、こうした問題を解決したいというコンセプトで開発しました。

できること

PDFを自動変換してDG17に!
精研AIブリッジのできることは、PDFをDG17で読み取ることができるように自動変換しています。PDFの変換はちょっと厄介です。PDFファイルの中にはベクターデータと画像が一緒になっているPDFがあります。
DG17で表示させるには、ベクターデータはアートワークに、画像はイメージとして読み込む必要があります。
実はPDFの中には文字とかいろいろあるので、単純じゃないのですが、現行のバージョンでは文字は画像化してイメージで読み込ませる仕様にしています。


最新のaiファイルを自動変換してDG17に!
最新のaiファイルをDG17で読み込めるように自動変換しています。DG17だけでもドローフュージョンの機能を使えば最新のaiファイルは読み込めるのですが、パスの線を太くした状態の図柄はパスとして読み込むのでどうしても細い線として表示されます。また、デザイナーさんによっては複雑なレイヤー構造で構成しているデザインなどをそのまま刺繍用で送ってくる場合もあります。
このような作りての特徴によってドローフュージョンではちゃんと読み込めないaiファイルも精研AIブリッジではデザインの見た目を崩すことなくDG17で読み込めるようにしています。

できないこと。わからないこと。

トリミングができな
依頼書としてきたPDFをそのまま刺繍ソフトに読み込み、その場でトリミングして必要な部分だけ残すという機能はまだありません。

文字をアートワークとして認識しない
また、文字はアートワークとして読み込めません。画像と認識してイメージとして読み込まれます。

わからないこと
PDF、aiファイルの中身によってはDG17に表示できても、ちゃんと表示できないPDF、aiがあるかも知れません。専門的に刺繍データを作成している2人のプロフェッショナルに検証してもらった上で開発したアプリですが、まだまだ検証中の部分はあります。

ご注意ください

・精研ベクターパックは、株式会社精研が独自に開発したツールです。タジマの製品ではありません。
・DG17の機能を拡張するための外部ツールです。DG17本体には手を加えず、DG17の標準の読み込み機能を使って表示します。
・PDFの中の文字は図形にならず、下絵として表示されます。ロゴの文字は、アウトライン化されたデータをご用意ください。
・PDFの中の画像を図形にする機能は、試験的な機能です。
・お問い合わせは、精研まで直接お問い合わせいただくか、 お問い合わせフォームよりご連絡ください。

【会社名・連絡先・URL】
株式会社精研
TEL 072-856-8253
HP https://www.seiken-kagu8.co.jp/


最後は愚痴!

最後まで読んでいただきありがとうございます。
大体、こうしたブログの最後はまとめのサブタイトルで簡潔に終わらせるのですが、今回は私の愚痴で終わりにしようと思います。

私はエンジニアではありません。コードの書き方もさっぱり分かりません。いわゆるド素人です。精研AIブリッジの開発なんて去年までは思っていても絶対できませんでした。ところが、AIの進化によってできないことができる時代が到来しました。
つまり、この仕事に関わる人ならこれくらいのことは誰でもできると思っています。もう一ついうと、私はフォト刺繍クリエーターとして日常的にDGを使ってきましたが、精研AIブリッジは私のような特殊な使用方法でなく、日ごろからお仕事でDGを使われている方々が本当に困っていたことです。このブログをアップする頃にはもしかしたら、私達と同じように考えて私達と異なるアプローチで課題解決している人や団体があるいかもしれませんが、正直なところ、AIに質問しただけ、多少作りこみは必要ですが、PDFとaiファイルを変換してDG17に表示させるだけなら1週間もかからず動くものができ、特殊要件を満たすために改修を重ねても実働2週間もあればこうして紹介できるくらいのモノは作れるのです。なので、もっとこの問題に深く関わっている人たちにはもっと多角的に、且つ、深く考えて欲しいです。私ごときにこんなことをやられてたら駄目じゃないでしょうか?専門的な知見をもってるならもっと良いものを作れるでしょう?何度も言いますが、私、ド素人ですよ!
一方で、アレができないコレができないと言ってる人も、言うだけではダメな時代が到来しています。昔は、自分にできないことは人に頼め、自分で作れないものはお金を払って作ってもらえだけで良かったけど、これからはとりあえずAIに聞け!も含まれてきます。私のように1年前までは完全に不可能と考えていたようなことでも、AIに聞いたらできるようになることはあります。AIは万能だと言ってるわけではありません。最近はあまりに賢くなりすぎて、人間の想像の斜め上をいく挙動で世間を騒がせているし、私なんかすっかりAIに取り込まれてAIなしの生活なんか考えられないくらいになってます。今は多くの人が刺繍データの作成はまだ人がやらないとダメだと思ってるでしょうが、私がこれまでに作った様々な自動化ツールや今回の精研AIブリッジなども、2年後には必要ないどころか、デザインの刺繍も普通にできるようになってるかもしれません。少なくともテキストの刺繍データ生成は既に指示を与えるだけでAIで作れるようになってますし、単純は形状の刺繍なら要件を伝えるだけで作ることが可能になってます。
そういう時代になった時、刺繍の世界はどうなるのか、刺繍機のあり方、刺繍ソフトは人が使うものとしてあるのか?そうならないか知れないけど、もしそうなっても今の私達のポジションを死守できるのか。新たなゲームチェンジャーが登場した時に対抗できる措置を私は今から考えておきたい。勝てなくても負けない状態をキープできるようにするにはどうすれば良いのか。そんなことをずっと考えているわけです。
愚痴といって書き出したらずーっと続きそうなのでこの辺りで終わります。
精研AIブリッジ、興味のある人はお問い合わせください。
ではまた。

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